イタリア国外でも| マイアミからデュッセルドルフまで、フランチャコルタの人気上昇中

高品質、特殊なテロワール、研究とイノベーションへの弛まぬ投資。こういった要因が実を結び、フランチャコルタのワインの人気は世界的にますます上昇を続けています。

「フランチャコルタ」という名は、これひとつでフランチャコルタ地方、ワインの製造方法、 伝統的な方法のみで作られた最初のワイン、 統制保証原産地呼称(DOCG)を獲得した初のワインのすべてを示します。高品質なワインへの関心が高まりつつあるところで、生産地域への関心を高めるマーケティング戦略を加えることにより、フランスのシャンペンに代わる発泡ワインの選択肢として、イタリア国外でのフランチャコルタの人気が高まっています。

2022年にフランチャコルタワイン保護コンソーシアムの経済観測所が集めたデータによると輸出が増加傾向にあります。停滞を余儀なくされたコロナ禍が過ぎて、外国との貿易が次第に増加しつつあり、販売量の11.5%を輸出が占めています。2021年と比較すると、輸出先のトップはスイスで、それに続くのは日本、米国、ドイツです。これらの国々への輸出は、いずれも前年よりも増加しており、殊にドイツ（46.3%増）と日本（28.2%増）でそれが顕著です。

ロックダウンによるホテル業界の需要の減少と展示会のキャンセルに伴った輸出の減少は否めないものの、企業ではコロナ禍をオンライン販売チャネル開拓のチャンスとしてとらえており、家庭での消費も含め、優れたワインを探求するワイン愛好家たちの活動を助長する結果となりました。コロナ禍が終わった後も、新しく生まれたこの嬉しい習慣は残りましたが、人々と一緒にグラスを傾けたいという欲求は淘汰されることなく、ワイン生産者との集いに参加したりして、消費者へのテイスティングの案内にとどまらずに、生産者の周辺地域や文化の紹介にも努めます。

2023年は、このようなチャンスに事欠きません。まず海外でのイベントの皮切りとして、3月7日にマイアミで第1回フランチャコルタフェスティバルが開催されました。会場はマイアミ川の畔で見事な高層ビルのスカイランを臨むレストラン、Seaspice Brasserie & Loungeでした。参加者は200人を超え、定番のフランチャコルタからフランチャコルタ・サテンやフランチャコルタ・ロゼまで、生産規定に定められたさまざまなタイプのフランチャコルタ発泡ワインの香りやペアリングを詳しく探り、熟成期間の長いもの（フランチャコルタ・ミレジマートやフランチャコルタ・リゼルヴァなど）は、より明確で複雑な特徴と磨き上げられた味をもつことを知ることができました。

このフェスティバルに出展したワイナリー17蔵のワインのテイスティングとフランチャコルタの米国アンバサダーによるセミナーの開催をもって、4月14～30日の2週間で展開するフランチャコルタウィークが開幕しました。この期間、マイアミのあちこちで行われるディナーやクリエイティブイベントでフランチャコルタ発泡ワインの販促活動が繰り広げられます。

ブレーシャの丘陵地に魅了され、特別なシーンのお祝いにエレガントで上品な味のワインを好むのはアメリカ人だけではありません。実は日本もフランチャコルタの大切な海外市場であり、当コンソーシアムの経済観測所によると、2022年に2桁の輸出率の伸びを記録しています。

日本料理は味覚のバランスと材料間の調和の探求で有名ですが、魚を主な材料とする繊細な味の日本の料理に発泡ワインが合い、その美味しさをさらに高めます。細かい泡と麦藁色が美しいフランチャコルタのようにモダンで洗練されたワインのイメージは、日本人が愛するエレガントで魅惑的なライフスタイルの象徴として受け止められています。

しかし東洋まで行かなくとも、上質のワインの生産と消費の長い伝統をもつ西洋の国々でもイタリア産の発泡ワインの人気は高まり続けています。中でもスイスとドイツでは、イタリアから地理的に近いこともあり、またワイナリーが販促活動に力を入れていることもあり、フランチャコルタが揺るがぬ存在となって、飲食業界の一流イベントにも取り入れられるようになりました。

3月19～21日にデュッセルドルフで開催されるワインとスピリッツの国際展示会 ProWeinは、フランチャコルタの17蔵のワイナリーに自社ワインを紹介する機会を与えてくれます。この展示会には61か国から6000社を超える出展者が参加します。世界中から業界のプロが訪れるこの大切なイベントへの参加は、フランチャコルタにとって新しいコンタクトを開拓しイタリアの中でも特殊な地域文化を伝え広めるためのまたとないチャンスとなることでしょう。