地域特産品

フランチャコルタの食習慣は、内陸で産する肉、地域のチーズ製造所や県内にある高地の牧場で生産されたチーズを材料にした農村の料理と、イゼーオ湖近辺で獲れる魚を材料とした料理という、2つの世界を巡って展開されます。 

ハム・サラミ類

ラ・レット(別名 Magiola マジョラ)はカプリオーロ(Capriolo)村で造られます。豚のもも肉のみを材料としたソーセージです。ナイフの先を使ってひき肉にしたものを、セージ、ローズマリー、ニンニク、スパイス、Franciacorta 白ワインと混ぜて豚の膀胱や胃の袋に詰めます。これは大きな食肉加工品であり、かつては結婚式、出産、洗礼といった特別な日や、しかるべく祝う必要があった夏の畑作業に食べるものであったと考えられています。イタリアの家族の規模が小さくなったことにともなって、ラ・レットの伝統も消え去っていましたが、近年になって地元の食肉加工業者の手で復活しました。ラ・レットの製造に使用される原材料の豚は、カプリオーロから30km以内の距離にある場所で飼育されています。製造時のラ・レットの重量は4〜14kgです。販売に出す前に、小さいものは 5 か月以上待つ必要があります。大きいものになると 2 年もかかる場合もあります。

これは伝統的にフランチャコルタで生産されているラードです。
生でスライスしたり、料理に使用したりする食肉加工品です。使用する原材料は脂身の多い豚肩ロースのラードです。
正しく給餌された成熟した豚の肩を覆う脂身から作ります。切ったものはすぐにサルニコ産石または木製の容器に入れ、たっぷりの Curtefranca DOC 白ワイン、塩、スパイス、ハーブを合わせた液を加えて数日間漬け込みます。その次に吊るして干します。4か月以上、長いときは1年以上かけて熟成します。甘さと塩味のバランスが非常に良い味です。ury.

イゼーオ湖のモンテ・イーゾラ島にあるクレ(Cure)、マッセ(Masse)、センツァーノ(Senzano)地区の家々では、数少ない「エキスパート」がこの特産のサラメを作る長く根気の要る作業をします。古くから世代から世代へと伝えられてきた決まった作り方は厳密に守られ、誰も変更しようとはしません。サラミは、豚肉のいろいろな部分を混ぜたもの、スパイス、つぶしたニンニクから作られ、ワインに漬け込んで寝かせます。天然の腸に詰め、2本の糸だけを使って手で結びます。5~6日後、ビャクシンの木を焼いた煙でサラミを一晩燻製し、続いて地下室に保管します。1か月間ほど熟成させます。伝統的には、サラミは脂身(ラード)で覆って湿気のない冷所に保存するのが良いとされています。料理ではスライスして使用されます。重さは500~800g、直径は5~8cm、色は暗色です。サラミは、熟成が短いために比較的柔らかく、材料生地の色と燻製のために暗色です。味は独特で、スモーク味や甘みがあり、薬味がきいていて、他の食肉加工品とは全く違います。肉の香りは強いですが、スパイスのミックスと燻製が消しています。島ではこのサラミが年間約10トン生産されます。

物知りメモ
イゼーオ湖の中心にある、面積5平方キロメートル、海抜600メートルのモンテ・イーゾラは、人が住む湖の島としてはヨーロッパで最大です。

ブレッシャ産ソップレッサータは豚を使用した食肉加工品です。熟成しないままのもの、熟成したものの両方があります。頬肉とヒレ肉をサイの目に切ったもの、その他の部分をひき肉にしたものなどを混ぜた豚肉に、ワイン、ニンニク、塩、スパイスを使用して作ります。天然の腸に詰め、重さは1~1.5kgです。熟成期間は短い場合(最大30日)と長い場合(6〜15か月)があります。ブレッシャ産ソップレッサータはサラミに似た独特の味がしますが、風味はサラミほど洗練されていません。切ると肉とラードが分離した中くらいの粒が見え、柔らかいものから硬いものがあります。中心には頸の筋肉、頸肉、ロースのいずれかが使用された部分があります。
生でスライスして食べるタイプまたは鍋で煮てから食べるタイプで生産されます。

チーズ

「Bagossi」は、カーニバルで有名なカッファーロ川渓谷にある、ブレッシャ県高地にある小さな村バゴリーノ(Bresciano)の住民を指します。その谷で生産されるチーズの名前「バゴス」はそこから来ています。部分脱脂乳から造ったカードを加熱しないチーズであり、アルプスのこのエリアならではの独特の風味を持っています。サイズは山のチーズよりも大きく、通常は16~18kgの重さですが、一部は20~22kgにも達します。
(ブルーノ・アルピナ乳牛の)生の牛乳で造られます。チーズ職人たちは、非常に古くからある伝統に従い、カード(凝乳)を切断・撹拌するときに小さじ1杯のサフランを加えます。長期間熟成:生産規定書には12か月以上と定められていますが、平均的にはそれよりも長くなっています(24か月または36か月)。熟成中、リンド(外皮)には生の亜麻仁油が塗られ、典型的な茶色の黄土色になります。
バゴスが偉大なチーズの複雑さを表現し始めるのは少なくとも10〜12か月の熟成を経た後です。カード(凝乳)が塊になり始め、砕けて小片になる傾向があります。この状況では、鼻にはサフランのスパイシーな香りが感じられ、牧草地と干し草作りの青臭い香調に重ねられます。味もそれに対応して良く、アーモンドのわずかな感覚と、熟成が長くなると増加する傾向がある、ややスパイシーな後味が口の中に広がります。

方言で「小片」を意味するファトゥリーは特別で珍しいカプリーノ(やわらかいヤギ乳チーズ)であり、今でもサヴィオレ渓谷のチーズ職人たちはよって年間数百キロが製造されています。
ファトゥリーは夏期にビヨンダ・デッラデメッロというヤギの全乳のみを加熱しないで使用して造ります。このヤギは絶滅の危機に瀕していましたが、今ではサヴィオレ渓谷において4000頭にまで増えました。燻製作業はビャクシンの小枝と実を使用して行います。熟成期間は30日から6か月です。ファトゥリーは円筒形状をしており、上面と底面は平らで、小さなサイズです(直径10~15cm、高さ4~6cm、重さ300~500g)。燻製期間の長さによってリンド(外皮)の色が異なります。チーズのテクスチャは麦わらのような黄色で弾力性があり、引き締まっていて穴がほとんどありません。匂いがありますが、燻製の香りで消されています。口に入れると強い草やドライフルーツの味が感じられ、酸味があります。ファトゥリーは、テーブルチーズとして食べられるか、おろしチーズとして使用されます。程よく熟成されているものはパスタ、リゾットやその他の料理に旨味を添えます。
物知りメモ:アダメッロ自然公園、カモニカ渓谷山岳共同体、Slow Food は、この渓谷の経済はチーズ造りと牧畜で成り立っていることを意識において、このチーズへの注目度を高め、ビヨンダ・デッラデメッロ ヤギの飼育を守るために、サヴィオレ渓谷産ファトゥリー保護機関を設立しました。

ケルト語から来た「シルテル」という言葉は、チーズの熟成室として使われた、岩を掘ってレンガの壁と丸天井で完成させた穴倉(shilter)を示します。熟成に適した、ブレッシャ周辺の渓谷における最高峰のチーズであるシルテルは、カモニカ渓谷にある高地の牧場や冬のスキー場のある土地、そしてセビーノ湖の別名を持つイゼーオ湖のブレッシャ県域で、1年を通じて製造されます。原材料には、大部分がブルーノ・アルピーノ乳牛、一部がペッザーテ・ロッセ乳牛やグリッジョ・アルピーネ乳牛から搾られた生の牛乳を使用します。乳牛は気候が良い季節には牧場で、冬は牛小屋で育てられます(飼料には牧草に穀物と豆類を少量混ぜたものが使用されます)。

保護認定されているシルテルは、高地と谷間の牧草地で放牧された牛の乳牛を使用して製造したものです。一度以上の搾乳で得られた牛乳は、バターの材料となる生クリームが自然に表面に浮いて、脱脂されます。次に、牛乳をタンクまたは小さな容器に入れ、8時間休ませた後に加熱して、子牛のレンネットと継ぎ足しの牛乳またはホエイを加えます。凝固した大きな塊を米粒の大きさの粒に砕き、加熱します。ホエイに浸したまま一定時間寝かせ、続いて型に流し入れます。手で塩をふるか、塩水に漬けて加塩した、重さ10~16kg、直径34~40cmの大きな円形のシルテルは、木製の棚に並べて熟成します。高地の穴倉、谷間の冷暗所のどちらにおいても、必ず木の板の上に並べます。亜麻仁油をまぶしてマッサージしながら少なくとも100日を経過させた後、シルテルに烙印を押します。しかし、部分脱脂乳のハードチーズのすべてに言えるように、100日をはるかに超える長期熟成もあります。

クアルティローロ・ロンバルドは、牛乳を原材料として製造したテーブルに出すソフトチーズであり、DOP(保護原産地呼称)に登録されています。その特徴とこの地で生まれたという「出生証明書」により独創的で唯一無二となっている有名なチーズです。ソフトで「石灰のような」テクスチャのある白くチーズで、旨味があり、ロンバルディアの特有な地域の農村の季節のサイクルや習慣と深い結びつきがあります。
1辺が18~22cmの正方形、側面高さが4~8cmの型が使用され、重量は1.5~3.5kgです。熟成期間は5~30日ですがそれより長いこともあります。

水産物食品

イゼーオ湖産伝統干しイワシは一風変わった Slow Food 保護認定の食品です。実際は(海に生息する)本物のイワシ(海に生息)ではなく、アゴーネの一種(アロサ・アゴーネ。学名は Alosa fallax lacustris)です。これは、すべての大きなアルプスの湖の沖合いに生息する定着魚で、よく知られているニシン科の海のアゴーネと同じ形をしています。
生息する魚の数が絶えず減少しているため、近年は他の湖から獲れるアゴーネを使用した加工も始まりました、しかし、伝統的な乾燥による保存技術を維持していますので、Slow Food の保護機関は「古くからの乾燥と保存の技術の良さを取り入れ、他の地を原産からとは差別化された地元の製造を推進する」ことを提案しています。
アゴーネは、5月15日から6月15日までの繁殖期を除いて、1年を通じて漁獲されます。ただし、加工には11月から3月までに漁獲されて、外で干したアゴーネのみが使用されます。
漁師は日没時に地元の方言で「ナエク(naec)」と呼ばれる長さ約7mの小さな先細り形のボートに乗って出かけます。そして、海岸から少なくとも200mのところに「サルデネレ(sardenere)」と呼ばれる網を降ろしてブイに固定し、翌朝に引き上げます。漁獲された魚はすぐに内臓を取り、流水で洗って、48時間以上塩漬けにします。続いて、魚を洗い、日陰の風通しの良い場所でステンレススチールの釘を使用した木製水切り台に並べて、30日か40日間干します。次に、イワシを円形のステンレススチール製円形容器に並べ、押しをして約4日間置いて脂肪を排出させ、最後に油を入れて覆います。少なくとも4か月間寝かせます。続いて汚れを取り除き、小さな容器に入れてオリーブオイルに漬けて、さらに12か月間熟成します。
この保存方法は、1年のある時期に大量に漁獲されるイワシを長期間保存するために、イゼーオ湖の漁師が徐々に編み出したものです。語り伝えによれば、このテクニックは少なくとも千年前にさかのぼります。当時、イゼーオの魚市の漁師は、ブレッシャのサンタジュリア修道院に一定量の干し魚を毎年届けなければなりませんでした。

アルボレッラまたはアオラ
アオレ・デ・ミューラとも呼ばれる塩漬けアルボレッラは、体が細く、背中側は青みがかった緑色、上身は銀色で、腹側は白い小さな湖の魚です。大きさは5〜7cmです。
アルボレッラの漁獲に依存するため、季節に造られます。

コルゴヌス
イタリア北部の淡水に生息し、プランクトン、軟体動物、幼虫を食べ、体長は60cmに達することがあります。12月と1月に繁殖し、中程度の深さですくい網や投げ網で捕獲します。

カワカマス
イタリア北部と中部の淡水に生息し、集団生活をせず、弱い魚を食べ、体重20kg、体長170cmに達することもあります。2月、3月、4月に産卵します。袋網、玉網、この地域で「テンカロ」と呼ばれる網で捕獲します。

チャー
湖の冷たい水に生息し、軟体動物、ミミズ、幼虫を食べます。重さ2kg、長さ50cmに達することがあります。12月と1月は産卵期です。玉網で捕獲します。残念ながら、このイゼーオ湖の「王子様」はほとんど姿を消しました。

ラッド
植物が豊富な水域に生息し、群れをなし、主に幼虫や新芽を食べます。最大で30~40cmの長さに達します。産卵期は5月です。テンカロ網と玉網で捕獲します。

ナマズ
イゼーオ湖に数年前から生息し始めたナマズは、3mの長さに達することあり、在来魚を好んで捕食します。このため、他の魚を守るため、プロの漁師がナマズを毎年捕獲しています。近年、食材としてのナマズが評価され、その豊富な魚肉が美味しいレシピに使用されるようになってきています。

テンチ
以前はイゼーオ湖に生息数が今よりも多かったテンチは、小さな鱗で覆われ、大きな肉質のヒレを持つ、ずんぐりした魚です。背中側は緑がかっており、腹側は黄色に近い明るい色です。ヒレは緑色と茶色が混ざっています。クルザネ・ディセオの郷土料理であるテンチのオーブン焼きとポレンタが有名です。

オリーブオイル

Sebino という地理的表示がある Laghi Lombardi DOP エキストラバージンオリーブオイル

「Laghi Lombardi」(ロンバルディア州の湖)という保護原産地呼称(DOP)は、セビーノ湖とラリオ湖の近辺で生産されたエキストラバージンオリーブオイルのみに使用できます。
「Sebino」の地理的表示は、オリーブ品種のレッチーノ品種が40%以上の比率で、フラントーイオ、カザリーヴァ、ペンドリーノ、ズブレーザの品種が60%を超えない比率で使用されたオイルのみに使用できます。他の品種も20%を超えない比率で生産に使用できます。
Sebinoという地理的表示がある Laghi Lombardi DOP エキストラバージンオリーブオイル のオリーブの実の生産ゾーンはブレッシャ県の24市町村とベルガモ県の24市町村を含み、すべてイゼーオ湖の近辺にあります。
ロンバルディア州のオリーブ栽培は古い期限を持ち、歴史的資料や古代の搾油場の跡の出土でも示されているように、ローマ時代以前にさかのぼることが確かです。オリーブ栽培は、モレーン起源の肥沃な土壌とこの地中海植物の栽培に適した気候を特徴とする、プレアルプスの湖沼の沿岸地域に発達しています。
1997年には欧州共同体から DOP (保護原産地呼称)の認証を取得しました。1999年には、「Sebino」、「Lario」のそれぞれの地理的表示がある「Laghi Lombardi」の保護原産地呼称(DOP)の保護と価値向上をめざす、自主的なコンソーシアムが設立されました。
オリーブの収穫は1月前半までに行い、木から直接に手摘みします。そして3日以内に製油作業を開始します。こうして造られたオリーブオイルは、その特徴から専門家により、緑と黄の間の色、弱いフルーティーな香り、弱い苦味とスパイシーさが感じられることもるフルーティーな味わいと分類されており、あらゆる種類の料理に風味を添えるのに適しています。
まろやかでデリケートなオリーブオイルですので、前菜、湖の魚、肉のカルパッチョまたはブレザオラ、チーズ、野菜の料理に使用する、サラダ、パスタ、スープにかける、さらには一部の菓子の材料に使用するなど、さまざまな料理に使用できます。

グラッパとスピリッツ

フランチャコルタはピノとシャルドネのブドウの搾りかすを活用します。これらから蒸留されたたものから得られる香りには、世界で唯一無二の土地柄が持つ伝統と知恵のすべてが閉じ込められています。グラッパには、オーソドックスなもの、そして果実、ワイルドベリー、蜂蜜のフレーバーがあるものがあり、大変人気があります。グラッパはブドウの搾りかすをそのまま蒸留して造られます。搾りかすはブドウの皮であり、マストやワインから分離されます。ソフトプレスで得られた水気の多い搾りかすは良い材料であり、発酵が完了するまでサイロや外気と接触のなり部屋に保存されます。最良の蒸留は古い伝統的なアランビックを使用してゆっくりと丁寧に行うものです。蒸気が搾りかすの海綿状の塊を通過することで、揮発性の低い部分が抽出され、その芳香物質が蒸気に移ります。蒸留して得られたものは高級な木製樽で熟成します。樽からはタンニンが放出され、グラッパに香りを加えます。若々しい大胆さを持つアグレッシブなグラッパを造るのであれば、本格的な熟成は必要不可欠ではありません。上品で複雑なグラッパを造るのであれば、官能的特徴は、当然のことながら、樽の木の種類、樽の中で熟成させる期間の長さとその気候条件に左右されます。

Grappa Franciacorta DOC

フランチャコルタのブドウ園でブドウを丁寧に収穫してワインに醸造する工程で得られる新鮮な搾りかすを、古くからの厳格な方法で蒸留して生まれるグラッパです。食事の終わりに飲むだけでなく、コーヒーなどに入れてコーヒーの味と香りを際立たせるためにも使用できる、「多目的性」を持つグラッパです。

アロマティックグラッパ:複数の種類。

搾りかす:フランチャコルタで収穫されたブドウ(カベルネ、ネッビオーロ、メルロー、バルベーラ、ピノ・ネーロ、シャルドネ、ピノ・ビアンコ)。

味わい:柔らかくビロードのような口あたり。

香り:白ブドウ(弱い芳香)と黒ブドウ(赤い果実と弱いスパシーな味)の特徴を持つアロマを統合したもの。

飲み頃温度:18~20° C。

スピリッツとリキュール

さまざまなスピリッツやリキュールが高地の渓谷に育つハーブを使用して生産されています。例えば、伝統あるジェネピー(Genepy)は、トナーレ氷河とアダメッロ氷河の岩山で育つ Arthaemisia glacialis という貴重な植物を煎じて造られます。

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