マドンナ・デッラ・ローザ教会は、マドンナ山(Monte della Madonna)の一番高いところにあます。言い伝えによると、昔この場所に喉の乾いた農夫がおり、そこに聖母が現れて飲み水が手に入る場所を教えてくれたので、その場所に教会が建てられたということです。さらに聖母が現れたまさにその場所にバラの花が咲いたともいわれています。
15世紀と16世紀に造られた建物の内部には、15~18世紀に制作されたフレスコ画があります。そのうち最も重要なのは、15世紀末の25年間ほどの時期に描かれた『玉座の聖母子像と聖三位一体』であり、この作品の依頼主は高貴な身分の人であったことが推定されます。さらにこの教会には1833年に遡る面白いエピソードが残っています。当時ここに野営していたオーストリア軍の部隊が、水が出なくなったことを理由に立ち退きましたが、その後、元の場所から水がまた湧き出したとのことです。